アップフィールドギャラリー企画展「フウケイ」
今回で５回目の開催となる、風景に係る写真の新たな表現を考察する写真展「フウケイ」を、８名の写真家が参加してDIVISION-1~2の２会期で、アップフィールドギャラリーに於いて開催します。
この企画展の特徴はディレクターが展テーマを考え、それに沿った作家を人選して、展示方法を考えて構成し作品を提示するという従来的な企画展ではありません。ディレクターはスペースと時間を提示し、企画展のコンセプトである「風景をめぐる写真に取り組んでいる作家」という大きな括りで、世代に関係なく出品作家の構成を考えます。
展の創出方法は出品作家が、お互いの作品を意識し合いながら、相互作用のもとに展の構造を考えて、展の全体性と各自の作品展示を創り上げていく共同性を大事にした独自な企画展です。
作家同士が緩やかな関係性を持ちながら、作家同士の相互作用で展を創り上げていく仕組みが、新しい形の運動体として表出することで、今日の写真状況に対して何らかの作用が、生じる強度を持った展を創りだします。同時に自分の作品と他の作品との同一性と差異について認識をすることで、展示空間に於ける作品同士の緊張感をつくりだす事ができます。
各作家が生身の身体感覚を孕んで、自己の視覚と身体の関係を探りながら、世界との境界線に立ち向かう事によって、手触りのある写真を表出させ、私達をとりまく状況に、リアリティーとしての｢フウケイ｣を立ち上がらせます。
Director 湊 雅博